大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和44年(むのイ)2322号 決定

主文

原裁判を取消す。

本件勾留取消請求を却下する。

理由

本件準抗告の要旨は原裁判官のした勾留取消の裁判は不当であるから、その取消を求めるというにある。

よって案ずるに、一件記録によれば本件は組織的集団を背景とし、一定の計画の下に敢行されたものであるから、被告人の具体的な指揮誘導の状況が警察官により現認されているとしても、本件の罪質、態様に照し、被告人には、関係人に働きかける等して本件の背景事前の計画等について罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由が存するものと認めざるを得ないし、勾留を継続する必要もあるものと認められる。

よって、本件準抗告は理由があり、原裁判は失当であるから、刑事訴訟法第四三二条、第四二六条第二項により、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 清水春三 裁判官 坂井智 中込秀樹)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例